家族の個人情報と引き換えにAmazonクーポンを入手した話

ベネッセ! 個人情報! お詫びの品!

……というわけで、我が家では所属する人員のうち65%以上に及ぶ個人の情報流出が確認されたとのことで、ベネッセから封書が届きました。
こうした情報の流出に対する「お詫び」は500円、というのが相場としてあるようですね。

すでに他でも紹介されていますが、封書で金券そのものが送られてきたのではなく、受け取りの方法が選べるようになっていました。
ベネッセのウェブサイト「お詫びの品受付ページ」にて手続きを行うことで電子マネーと引き換え(楽天エディ、ナナコ、Amazonクーポンの3種)、またはハガキでの手続きにより図書カード、もしくは(財)ベネッセこども基金への寄付から選ぶことができます。

……「(財)ベネッセこども基金への寄付」だって?

はて。

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異邦の雨についての覚え書き(Ireland,1996)

 雲が低くたれこめて雨と風の強い午後には、はるか西の海に浮かぶ島々のことを思い出す。

 アイルランド、アラン諸島。切り立つ崖に縁取られた島々を成す岩盤の上には、伝統的なアラン・セーターの編み模様のように、幾つもの石垣が走る。岩だらけの島で、人々は石を砕き海藻を混ぜて“土”をつくり、作物を育てたという。無数の石垣は、海からの強い風にわずかな畑の表層を飛ばされてしまわぬよう、そして家畜たちを寒さから守るよう、年月をかけて築かれてきた。それは厳しい自然の中に紡がれた、営みの軌跡だ。

 さいはての島へは、船で渡る。40分ほども波に揺られて港に着くと、湾に沿って大きく左へカーブする道を歩く。高い木々はなく、地面にしがみつくように草木が生えている。昼下がりの陽を受けて、光る海が見えている。しばらくゆくと、壁をモスグリーンに塗られた一件のB&Bが見えてくる。心地の良いあたたかなBedと、数種類のパンやソーセージ、ベーコン、シリアル、卵料理などボリュームたっぷりのIrish Breakfastを提供してくれる、家族経営の小さなホテルだ。小さな男の子と白い猫とが、人なつこい笑顔で迎え入れてくれた。

 ホテルのすぐ側にあるパブに入って窓際の席に座り、パイント・グラスに注がれた黒ビールをゆっくりと喉に流し込む。海にむけて開け放たれたドアの向こうには、岸に打ちつける波しぶきが覗く。いつの間にか空は雲に覆われ、唐突に、強い雨が降りはじめる。雨宿りに立ち寄った島の人々が増えると、当地でも話す人も少なくなったというアイルランド語がパブに響く。雨音、笑い声、音楽、乾杯するグラスの音。幾重にも、異邦の音。人々の営みは、こうして続いてきたろうか――。

 やがて夕暮れ。まだ、雨が降っている。

近未来の件

さいきんは本を眺めていても「2030年のエネルギー・資源予測」の類とか、「(数字だけ見るとずっと先のことのように感じるけど実は)ちょっと先の未来」が気になっています。
小さな子どもがいることとか、3年前の地震のこととか、原発事故のこととかいろいろあって、数十年単位で考えることが増えてきたんですよね(よくもわるくも)。

たとえば2040年って、すっっごく先のことだと思ってたけど実はあと25年くらいしかない。
20歳からこっちのことをちょっと思い出してみるだけでも、相当あっと言う間です。ひゃー。

というのと関係有るような無いような(ちょっと古いネタなんですけど)、『元総務相で東大の増田寛也客員教授らは8日、2040年には全国1800市区町村の半分の存続が難しくなるとの予測をまとめた。国土交通省も全国6割の地域で50年に人口が半分以下になるとしている。』という話。

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このせかいはわたし

息子(もうすぐ3歳)はあまり運動が得意じゃないらしい。
そういえばハイハイをはじめるのも立ち上がるのも歩き始めるのもゆっくりだったし、そもそも親があまり出歩かないので運動する機会も少なめだからかもしれない。よくもわるくもさもありなん。

それでもおしゃべりが上手で、まわりの大人が話しているのを聞きながら、思いもしない間の手を入れたりする。
絵本を読むのも大好きだし、買い物に出かけた先でフリーペーパーとかチラシとか「季節のレシピ」だとかがあると「これ、もらってく?」とか言ってしばらく眺めた後、ベビーカーの下についてるかごの部分にひょい、と入れて持って帰ったりする。
大好きなトーマスだとか新幹線のおもちゃだとかでにぎやかに遊んでたと思ったら静かになって、寝たのかなーと思って見に行くと、お気に入りの絵本やらリーフレットやらをふんふんと読んでいたりする。

ことばがどんどん増えていって、世界はディテールを明らかにしながら、拡大している。
しかし世界は、いかにも親密だ。

ああいったい、わたしとせかいはこんなにも、いつからとおざかってしまったのだろう。

雨雲の間を縫って日の暮れる。「赤いねえ!」と声がする。

ナイジェリア、拉致女性ら60人超が自力で脱出  :日本経済新聞

ナイジェリア、拉致女性ら60人超が自力で脱出  :日本経済新聞.

『ボコ・ハラムとみられる武装集団に拉致された女性や少女ら60人以上が自力で脱出した』とのこと。
ほかにも誘拐/拉致された女性がたくさんいるようだが、脱出できていない人たちはどうなったのだろう?

諸々の解決の糸口になるだろうか(それとも、争いのもとに)?

「眼鏡の鯖江」、医療器具やウエアラブルも育てる  :日本経済新聞

「眼鏡の鯖江」、医療器具やウエアラブルも育てる  :日本経済新聞.

「鯖江の眼鏡」の技術が、脳外科手術用のハサミや、医療用のピンセット、あるいは(グーグル・グラス型の)ウエアラブル端末のフレームの製造に活かされている、という記事。
中国への生産拠点の移転や技術の流出で苦しんだ地場産業の復活。そのきっかけをつくったのは、さらに高度な技術を目指した地道な研究や、インターネットでのプロモーション(技術紹介)だったという。

厳しい時期に耐え切れず廃業した企業もあっただろうけれど、そこで失われてしまった技術、あるいは職人もあっただろうか?
復活するまでの“冬”を耐えるべく、火を絶やさないためには何が出来るだろうか(何をするべきだろうか)?