“bye,” そう言って彼女はやがて

ICレコーダーがこわれた。

たぶん5年くらい? 使っていて、近頃は当初ほど頻繁に使うこともなくいたけれど、インタビューのときにはいわばお守りとして(つまり自分のメモが解読できなくなり、記憶も失ってしまったとき用に)側に置いておいた。
なくてもどうにかなるけれど、なけりゃないで不安です。

先般、インタビュー直前に使えなくなり(電源が入らない!→こんなときはスマホで代用できますからおちついてくださいお客さま)、昨日の取材ではなんとなく録れてた……と思うんだけど、どうだろな。今朝になってかばんから取り出したら、「録音中」を示す赤いLEDが点灯したままになっていた。

いつからそうしていたのか分からないけれど、思えばそれはさいごの灯火だったのだろう、電源のスイッチを「切」にしても「入」にしても光はそのままで、電池を取り出してようやくに消えた。

ふたたび電池を入れると、液晶画面にはいつもどおり“hello”の言葉。
でも、数秒の間を置いて、

“bye”、そしてしずかに表示は消えて、それっきり。

さよなら、ICR-PS185RM。僕のへたくそなインタビューも、60回くらい続いたポッドキャストも、それから、息子が生まれる瞬間も、君の2GBメモリに記録されていたんだったね。どうもありがとう、おせわになりました。
 

 

つうか、レコーダーが壊れる理由ってなんなの? とくに落としたとかいうこともないと思うんだけどなあ。
しかもSANYOっていまやPanasonicか……。

SANYOってファンの人も多いようですが、個人的にもデザインとかが妙にハマるメーカーでした。
MSXの「WAVY70」のあの曲線とかがPanasonic「FS-A1」とかよりぜんぜんかっこよかったなあ(持ってなかったけど)。
マシン語とかちょうなつい。

【MSX1から1チップMSXまで、歴史を一気におさらいするぞ!:MSX30周年】
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/151/151590/