雪の舞う信州・諏訪での取材の帰り道、高速道路をひた走るクルマの後部座席に揺られながら白く連なる八ヶ岳を眺めてぼんやり、中央道はいつしかやまなし、いずれ立川、国立、桜上水。
あれこれとしゃべりながら聞くBGMはiPodからFM電波に乗って小さなクルマの中におだやかに流れておりましたが、やがて高架のすぐそばにビル、またビル、さらに高くなって、ちょっと音楽変えましょうかタツロー・ヤマシタなんてどうですか、あれなんか久しぶりに聞くなあ、うん、たまに聞くと気持ちいいですね、ところで少しオナカすいてきませんかなんて言いながら窓の外に目を向けると
新宿!
テール・ランプ、高層ビルの窓、都市的ノイズ、ビルボード。インターを降りて街の中を走る、信号が変わる、横断歩道、街路樹、行き交う人たちの影、タクシー、クラクション、セブン-イレブン。そんで、タツロー・ヤマシタ。街の上に流れてビルと人とクルマの間を抜けて光を反射するような、
街と風景と音楽があんなふうにリンクする瞬間は久しぶりで、ちょっと感動した。
その街が新宿で良かったのかどうかは少し疑問だけれど、山下達郎の曲はすっごくやっぱり都会的なんだなって感動した。