特別のパン どうということもない私の、今ほんの僅かな特別は、焼き上がったばかりのバタァルを、膝にのっけて鉄道に乗り、妻と子の待つ小さな部屋へと、家路を急いでいることです。 このパンのぬくもりが、ほんの少しでも家族を幸せにできるのならば、それは私にとっての得難き救いとなるでしょう。 小さきものと笑わば笑え、それでもお前に、このひと時を奪えるものか。 この投稿をシェア:FacebookTwitterPocketLinkedIn 関連