「まあ結局、MRIで見てもこれはものの影を見ているだけですから、なんの腫瘍かというのがはっきりは分からないというか、確定はしないです。ただ、これを見る限りではシンケイショウシュである可能性が高いのではないかと思います」。……ほう。
前回の初診+エコー撮影から1週間後、朝8時40分に市立病院に到着(2時間前には起きてたんだけどおなかの調子ふにゃふにゃで遅くなった)、機械で再診受付を済ませて窓口へ。MRIが空いたら撮影なので、いつになるかははっきりしない。担当者のいるカウンターの近くで待つことにする。
長期戦を覚悟して、今日はラップトップと新書を一冊持参した。本は、年明け早々に読み始めたのでもう半年以上経っているのにほとんど読み進められていなかった金井 一薫『ナイチンゲール』(ちくまプリマー新書)にした。待ち時間が長ければ長いほど、感染症予防について理解が深まることうけあいである……という目論見だったのだけれど、病院内ではマスク必須であり、本を読むには老眼鏡が必須であり、ほどなくして読書には向かない環境であることが判明した。ぼんやり。
が、10時になると受付の担当者に声をかけられ、MRI室前待合へ。意外と待たずに済んだありがたい。トイレも済ませられてよかった、が、待てよMRIって短くても30分くらいはかかるよねってあわてておしっこ。
ああ、なつかしのMRI!「体内に金属のクリップが入っているとかいうことはないですか」とか確認されるけど、そんなの知らない。入ってるとは言われてないけど入ってないとも言われてないし、でもよく考えたら前回の脳腫瘍手術のあとも何度かMRIで検査してもらってるから大丈夫なんだよねって思う(ふあん)。
11時前、撮影が終わり、ほどなく診察室へ。すむーず~
で、センセイ、なんなんですかこの右脚大腿部の後ろ側、直径4~5cm程度のしこりというか膨らみというか。
【診察メモ】
※以下のリストは診察時のメモから医師の説明をまとめたもの。素人のメモ+書き起こしであり、正確さは担保されない。
- MRIの様子からすると坐骨神経ちかくの神経系腫瘍であろう
- 神経鞘に腫瘍ができる「神経鞘腫」ではないか。
- 神経というのは、神経筋というのが何本かまとまって、鞘、つまり「神経鞘」に包まれている。神経鞘腫というのは、この神経鞘に腫瘍ができるということです。
- 話を聞く限りでは、以前の脳腫瘍も同じようなものではないか。神経鞘腫は複数発生することもある。だからほかの部分にもできているかもしれないが、全身をMRI検査するということもないので何か影響が出てこなければ分からないこともある。
- 今回の腫瘍について、鑑別としてほかにあり得るのは「悪性神経鞘腫(悪性)」「神経線維腫(良性)」。現時点では、特に悪性であることを認めるような状態ではない。
- 対応としては「様子を見る(大きさの変化をフォロー)」または手術。手術を選択するのは腫瘍が大きくなったり(5cmを超えるくらい)、症状(しびれなど?)が進んだ場合など。
- 根治には手術が必要。良性のものであればそのままでもよいが、自然に無くなったりはしない。
- 手術による悪影響としては、症状(しびれ)の悪化や「脱落(神経脱落症状)」の可能性がある。
……というようなことで、うーむ、あの日ののうみそのおできが…ふとももに…?!
脳腫瘍のときはMRIの結果を見てすぐに「お仕事は時間の都合もつけやすいようだし、手術、しますよねえ?」とか言われて「はい」と答えればよかったんだけど、今回はそうしたサジェスチョンもなく「まあこの場で決めろという話でもないので……4週間後くらいにもう一度診察して様子を見つつ、手術するなら調整しましょう。もしくは、この時期に手術がしたいという希望が決まったら、次回の予約を早めて来てください」とのこと。
「この場で決めてしまったほうがいいかな」という考えも一瞬浮かんだが、いやそうは言ってもやっぱりちょっと平常心ではないというか「今でなくてもいい」と言われるならあとでもよいかと退室(ストレスから逃避したり完璧主義的な傾向からいろいろ先送りしがちなタイプ)。お昼前には会計も済ませて、終わってみれば午前中だけで済んだのでとてもスムーズであった。
……が、帰宅して家人と相談すれば「どうせ手術するなら、そりゃ早いほうがいいだろう」というしごく当たり前な結論で一致。予約変更手続受付締切20分前に電話し、9月中にもろもろ済ませられるといいです……的なことを含めつつ、予約日時を翌週午前中に変更してもらった。
問題というものはいつも、見えぬふりをすれば大きくなり、向き合えば小さくなる。よろしい、さくっとやってもらおうじゃないの。