息子(もうすぐ3歳)はあまり運動が得意じゃないらしい。
そういえばハイハイをはじめるのも立ち上がるのも歩き始めるのもゆっくりだったし、そもそも親があまり出歩かないので運動する機会も少なめだからかもしれない。よくもわるくもさもありなん。
それでもおしゃべりが上手で、まわりの大人が話しているのを聞きながら、思いもしない間の手を入れたりする。
絵本を読むのも大好きだし、買い物に出かけた先でフリーペーパーとかチラシとか「季節のレシピ」だとかがあると「これ、もらってく?」とか言ってしばらく眺めた後、ベビーカーの下についてるかごの部分にひょい、と入れて持って帰ったりする。
大好きなトーマスだとか新幹線のおもちゃだとかでにぎやかに遊んでたと思ったら静かになって、寝たのかなーと思って見に行くと、お気に入りの絵本やらリーフレットやらをふんふんと読んでいたりする。
ことばがどんどん増えていって、世界はディテールを明らかにしながら、拡大している。
しかし世界は、いかにも親密だ。
ああいったい、わたしとせかいはこんなにも、いつからとおざかってしまったのだろう。
雨雲の間を縫って日の暮れる。「赤いねえ!」と声がする。