TEDで、 Stacey Kramer が自らの経験について話す様子を見たのは夏の終わりの頃で、その内容はまあ、あれこれのメディアで諸々を知った気たっぷりな僕にしてみれば「ほぉん、なるほどねえ」てなもんだった訳なんだけど、いやあ、今から思えば何かしらの兆しってものだったのかも知れないね。
それから姑くはすばらしいプレゼンテーションがタダで見られる（しかも日本語字幕付き！）という理由で何度となくTEDのウェブサイトを訪れるようになっていたんだけど、季節が冬に変わる頃、僕は再び彼女のビデオを見ることになった。なにしろ自分自身もアタマに穴を開けることになったので、さすがに今回はちょっとまじめな顔でモニタを見つめたんでした。
脳に腫瘍が見つかって、摘出手術を受けることになりました。
まずは、発見までの流れを振り返るよ！
12月６日
８月くらいからだったろうか。
疲れてたり、緊張したり、笑ったり、寒かったりすると、顔面右側がけいれんし、目の下から口元のあたりまでがぐいーんとひっぱられる感じになる。なーんかみょーにおかしいなーとは思いつつ、まあシゴトがちょっと忙しい時期でもあったので、ストレスとかそういうのかなあと思って放っておいた。実際のとこ、ゆっくりできるようになると違和感は薄らいでいたのだ。
ところがここ数日、顔だけでなく右腕（肩から手まで）にも違和感。握力が弱くなって、手の甲を触ったときの感覚が、しびれちゃったときのそれみたいな感じ。ちょっと前に、重たい荷物を持ったからかもしれないけど……。
気になって、少し調べてみる。
出てきたのはこんなの↓。
至急！顔面痙攣？瞼がぴくぴくして一週間ほどたち、昨日あたりから顔半分が上の方… – Yahoo!知恵袋
なにこれこわい(笑)。
うーん、と思ってキーワードをいくつかメモ。脳神経外科 神経内科
顔面痙攣
頚部椎間板疾患：手指、腕のしびれ、使いにくさ 片側顔面痙攣→微小血管減圧手術
顔面痙攣で多いパターンとしては、血管が三叉神経を圧迫し、それによって痙攣が起こるというもの。顔面神経痛（ちょーイタいらしい）や麻痺（表情がだらーんとなる？）が現れる場合もあるようで、それとの三択だったら、まあ、痙攣を選ぶか、なあ……（痛くもないし）。
20101208
初診。受付のとき、「受診する科」の項目で「脳神経外科」にマルを付けるが「いきなりそれはないわー」ということらしい。そういうものなのか。
内科に通されるが異常に混んでいて、状況を説明したところ神経内科で診察を受けることに。とはいえこちらも同様で、11時に受付を済ませるが、実際に診察を受けられたのは６時くらい。飛行機に乗ったら香港行けちゃうくらいの時間だ。
状況を説明し、痙攣の様子を観察（こういう時に限って再現されない）、手足の動きと反応を検査し、握力を測る（左右とも同じくらいの数値。通常は利き手の側が強いので、やはり右手は握力が下がっているかも？ とはいえ、顔面右側の神経に異常があり、それと原因が繋がっている場合、左半身に影響が出るはずなので、おそらく別の原因だろうとのこと）。
顔面の痙攣については、おおむね下調べ（インターネット情報）と同じ内容の説明を受ける。しかし、腫瘍ができている可能性もあるので、MRI撮影を受けることに。
MRIを撮ることで、痙攣の原因が血管による刺激なのか、そうでないのかがわかる。
20101209
病院に電話してMRIを予約、15日夕方に決まる。
昨日よりも右顔面が痙攣、疲れてる？
20101215
夕方、MRI。ハイテクぽい！ ヘッドフォンからは何やら音楽が流れているが、撮影中の音が大きくてほとんど聞こえない。気遣いは感じるが……。単調にがこーんがこーんとされて、まあうるさかったんだけども、一瞬眠ってしまった。いたくもかゆくもなんともない。結果は一週間程度で出るということで、来週半ばに病院に行くことにする。
20101222
MRIの結果を聞きに行く。診察室に入るなり、前回はわりとフランクな感じで話をしていた先生が、下がり目な感じで「フセさ〜ん……」て。えええー？ 何ですかそのノリは！
「んー、ここにねぇ、腫瘍があるんです」。はぁ。「これがMRIの画像なんですけどね、ほら、ここに白い部分があるでしょう。これが腫瘍。２センチくらいですかねー。」ほぅ。
……ほぅ？
なにそれすごい、っていうかその自然さがちょうクール！
【説明のポイント】
・脳腫瘍といってもいろいろあって、今回の場合、部位的にはほぼ良性のもの
・大きさは２センチほど
・おそらく手術。
・今後は脳神経外科での対応になる
病院を出てから、職場の同僚と池袋の中華料理屋で会食。ツレも一緒だったが、どういうタイミングで話をしようかなあと思いつつ、ビールとか紹興酒とかをごきげんで呑む。相変わらず美味しかった！