新しいことば

学生の頃に勉強したことのうちのどれだけを覚えているかというと甚だ心許ないが、折に触れて思い起こすのはゼミの時間に先生がふと口にした「ことばというのは概念ですから、」ということばです。たぶん12世紀とか17,8世紀ごろの話をしてたんじゃないかと……

そのときの“ことば”というのは「恋愛」だった。

……だったからかどうか分からないけど、はー、なるほどことばというのは(つまり、何かをそれと名付けるということは)概念の存在を認める、それがどのように在るかてことを示すものなんだなあ、と思ったことを覚えている。
ことばは、何かを定義づける。そういう力や、役割が、ことばにはある。
新しいことばは、それまでは存在しなかったものを出現させる。この世界に、私の中に。

というようなことを、今般の『広辞苑』改訂に際して思いましたという記録メモ。

※実際には、そのことばが、書かれた当時にどういう意味・概念を示していたかを調べてからものを言え、というお話だった。各時代の「恋愛」が意味する心情や行為は、それぞれ異なるものだった。