空は清々しく、風は冷たく

やがて、ふたたび目を覚ますわたくし。
自分で起きたのか、起こされたのかは判然としないけれども、どうやら一晩が過ぎていたようで、ぼんやりと視界はいくらかまばゆく、これは陽の光か照明なのか、と思いながら、ぼーっとしている、人の気配、のどの渇き、すみません、あのぅ、スミマセン……

なにも心細いことはなく、声をかければ答えてくれる人の存在は、実にありがたいものでした、ということを、改めて思い出しております。

吸い飲みを何度か差し出され、くびり、ぐびり、くぴり、ごくりとした水は、特段に旨いとかありがたいとかそういうことはなかったけれども、あんだけ存在感のある水を飲んだのは初めてだ。
ほほぅ、これが水というものですか! とかそんくらいすごいかった。

んで、それからしばらく経つと、先ほどの看護士さん(……だと思う、声でしか判断できない、顔は見えていない)が「じゃあフセさん、歯磨きしてください」とか言って、右手に何かを握らせる。いや、何かってそりゃ、歯磨きって言っているのだから、歯ブラシです。

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目覚め→眠り→目覚め→新しい!

入院翌日は、手術を受ける日であります。
診察を受けてから、まる一ヶ月経ってついに開かれる、わたくしの頭蓋……! 頭蓋骨が開かれたことなんて、ありますか? 僕はありません(でした)。

手術当日と翌日はほとんど「失われた一日」という感じで、おおむね意識の無いままに過ごしたんだけれど、少しメモがあるのでいちおう転記しておこうと思うんだ。

手術室に向かう直前まで、ノートにメモしたり、ツイッターに書き込んだりして、この時はなかなか盛り上がってた感じ。
やっぱりそれなりに不安だったのかも知れないなあ、などと。

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入院患者のつくりかた

諸々の準備を経て、いよいよ入院の日を迎えたわけなんだけど、ちっとも「患者」っていう感じじゃない……のはまあ当然と言えば当然で、なにしろどこも痛くもなければかゆくもなく、そうねえそう言われればちょっと寒気がするかなあって気はしないでもないけど、まあ冬ですからねえ、少し風も強いし。

とはいえ入院は入院、というわけで、翌日の手術に向けて準備をしたり(主に心の)、医師の説明を受けたりしているうちに、「入院患者」は出来上がっていくっていう寸法です。

この日からメモ帳に記録を付け始めていたので、それを抜粋しつつ書き写していこうと思うんだ。

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えっさかほいさ、入院だ

手術に向けた検査をこなしつつ、必要なものなど買いそろえて入院の準備。
それにしてもなんだなあ、ひとくちに「検査」ていうても、いろいろあるんだなあ。

各科がそろっている病院なので、いくつもの部屋をスタンプラリーみたいに回る。これで集めた情報が集まって手術が行なわれることを思うと、やっぱりなかなか大変なことなんだなあと、ようやく実感し始めています。

さて、準備はできたかな?

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不調の予感と、入院準備

病院に行き「あなたは病気です」と言われると、急に体調が悪いような感じになるのはなんなのだろうか(笑)。逆プラシーボ。

なにがどう、という訳でもないのだけれど、どーもみょーにへんだなーというような。

新年明けてから一週間はほとんど動かないので、シゴトができるのは2週間程度しかない。あちらこちらに迷惑をかけながら日程調整。

さて、はて。

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クリスマスにやってきた

脳に腫瘍が見つかった。
それってどういうことなんだ?
……というのが良く分からないまま、神経内科の診察から2日。
つまりクリスマス・イブなんです。

こんな日でも、病院は大盛況。とはいえ、脳神経外科に来る人っていうのはやっぱりそんなに多くなくて、何時間も待たされるということはなかった。

むしろ「脳神経外科」とかいう言葉のイメージからすると、外来の診察室はあんまりにもあっけない雰囲気。でっかい機械が置いてある訳でもないし、お医者さんもフツーに白衣を着ている。なんだか拍子抜けな感じもしなくもない。

けれど、そこで話される内容はというと、やっぱりなかなかに深刻なものなのだ。

いよいよ、専門の先生に説明を聞いてみるよ!

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